野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

巨匠ルービンシュタイン

 正月に帰省した時、実家にあった「ルービンシュタイン ショパン全集」というCD10枚組のボックスセットをパクって帰った。これは実は20年近く前から実家にあったもので、うちの母親が買ったもの。もちろん母親は自分で聴くつもりで買ったらしいが、どうやら買っただけで満足してしまったらしく、買ってから一度も聴いてなかった(実家にはそんなCDやレコードが実はたくさん眠っている)。それではあまりにももったいないので、帰省したときに気が向いたら一部を借りていき、次に帰省したときに返却する、ということを繰り返していた。今回はいっその事全部借りて(借りパクも視野に入れて)帰ろうと思ったのだが、なぜか4枚目から6枚目(スケルツォ、ポロネーズ、即興曲あたりが入ってる)が見当たらない。ひょっとしてすでに借りパクしてたかな、と思ってとりあえずある分だけ大阪へ持って帰ってきたけど、やっぱり見当たらないんだなあこれが。一体どこへ行ったやら。
 ちなみにこのボックスセット、<ルービンシュタイン生誕100年記念>の限定生産品で、30,000円もしたらしい。高っ!!この前タワーレコードで、同じようなルービンシュタインのボックスセット11枚組が7,500円ぐらいで売られてたのを見かけたぞ。輸入版だけど。
 さて、少し前にタワーレコードの店頭で、色んなピアニストが弾いたショパンのピアノ曲集10枚組が1,600円ぐらいで売られていたのをつい買ってしまったことがある(過去の日記参照)。その中にルービンシュタインによる演奏も収録されていたのだけど、これがまたどうにもショボくて、「ルービンシュタインってこんなんやったかなぁ?」と首をひねったものだった。しかし今回改めてルービンシュタインのボックスセットを聴き直して、「そう、これこれ」と納得した。今までずっと聴いてきて、僕にとってのショパン演奏のスタンダードは、やっぱりルービンシュタインなんだな(前は「アシュケナージがスタンダード」って言ったけど)。アシュケナージも良いけど、ルービンシュタインと比べて聴くと、やっぱりちょっと気取り過ぎな感じがして、ちょっと鼻につくかも。同じルービンシュタインの演奏によるCDでも、録音された時期を見ると、ショボい方は1930年代、3万円のほうは1960年代だった。そりゃあ30年も違えば、ねえ。値段の差がここまで露骨に出るのか。だけどやっぱり自腹で3万円は出す気にはならんな。もっともその値段はCDが普及し始めたころのものだから、さすがに今となってはそんな値段がつくことは無いとは思うけど。いずれにしても1,600円のほうはマニア向けというか、コレクターズアイテムかな。でもお願いだから、「安物買いの銭失い」とだけは言わないで欲しいんだ。