野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

センマイとかテッチャンとか

カルロ・ザウリなんて名前、つい最近まで知らなかった。なんでもイタリア現代陶芸の巨匠らしい。先日伊勢丹のピカソ展に行った際に、京都国立近代美術館で開催される「カルロ・ザウリ展」のチラシを見て初めて知った。で、何となく「これは観に行かなければ」、と思った。
そんなわけで本日、京都まで行ってきた。今日が最終日だったので混んでるかなーと心配したが全然。良い感じだ。向かいの某美術館とえらい違いだ。
直感に従っていってきたがこれは「当たり」だったと思う。ただこれって「陶芸」っていうのか?というと、かなり疑問。でもまあ良いじゃないか。
印象を一言で述べるならば、「グロテスク」。だけど思わず見入ってしまう、というか見てて飽きない、というか。
最初のほうには、いわゆる「陶芸」みたいな作品もいくつかあった。でも色が独特。特に、静脈血のようなどす黒い赤がとても印象的。そして、なんともいえない形状。
1970年あたりの作品から、だんだんと変になってくる。球体や直線で構成された、幾何学的な形状と一緒に突然現れる襞のような表面や裂け目。人工的な造形と妙に肉感的な曲面のミスマッチ。ダリの絵を思い出させるあの曲面、襞のような形状は、彼の様々な作品に繰り返し繰り返し表れる。取り憑かれたように。言葉で説明するのはちょっと難しいが、例えば二枚貝の身をびっしりと貼付けたような感じ。あるいは内臓の表面を拡大したような。これが気持ち悪い。けど目が離せない。
会場内を行ったり来たり、堪能してきた。だけど昼飯にカキフライ定食を食べたのはちょっと後悔した。