野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

Musée sauvage

兵庫県立美術館で榎忠展というのをやっている。展示作品の画像と「美術館を野生化する」という文句を見たら、これはぜひ行ってみなければ、と思った次第である。
展示室に入る前の通路にいきなり数十挺の機関銃が並べられている。AR-15とAK-47、いわゆるカラシニコフですな。展示室に入るとこんどは大砲だ。何じゃいこら、と思うと次の部屋は大量の薬莢だらけ。
モノっていうのは、その数量が度外れて大きく、ある臨界点を超えるとそれが持つ意味が変質するんじゃないだろうか。数千、いや数万個がばらまかれ、あるいは積み上げられた薬莢の塊をみたら、なんだかクラクラしてきた。
そして「ギロチンジャー」という作品では、鋼鉄の廃材を裁断機でぶった切っている。裁断つったってあなた、布地や紙を切るのとはわけが違いますからね。なんだかとてつもなくヴァイオレントだ。
以前にカルロ・ザウリの彫刻作品を観たときに受けた異様な感じにちょっと似ているが、少なくともあれにはこんなヴァイオレンスは感じなかった。
そして、フライス盤やら旋盤までが展示されている。うむむむむ、と思いながら観てまわり、なんだか打ちのめされて展示会場を出たのだった。
兵庫県立美術館はその建物もさることながらロケーションがなかなか良い。今日も周辺をちょっとばかし散策してみた。ちょうど日が暮れ始めているところで、これがまたええ感じなんである。
さて美術館は野生化されただろうか?どうなんでしょうなあ実際のところ。