書店で「ほろ酔い文学事典」なんていうタイトルの本が目にとまって、反射的に買ってしまった。
- 作者: 重金敦之
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/03/13
- メディア: 新書
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まあやはりビールは椎名誠だし、ウイスキーは村上春樹だし、ギムレットはチャンドラー、そば屋で飲むなら池波正太郎、とそのあたりはしっかり押さえていて、さらに、ほうあの作品にはこんな酒が出てくるのか、と感心させられたり。「マシアス・ギリの失脚」はずいぶん昔に読んだけど、I.W.ハーパー12年なんて出てきたかな、とすっかり忘れていたり。
この著者はずいぶんとワインがお好きなようで、様々な種類の酒について触れていると言いながらも、ワインだけ明らかにバランスがおかしくて、かなりの紙幅を割いており(日本酒26ページに対してワインは93ページ)、蘊蓄の深度と熱も少し高め、というのもまた微笑ましい。
気軽に読めて、でもところどころでちょっと感心して、なかなか楽しい本でございました。