Apple Musicに関して、アレが無いコレが無いと文句ばかり言っているが、"Glenn Gould Gathering"を聴けるようにしたことは本当に素晴らしいと思う。CD買ったら2枚組で6千円以上するシロモノだ。これが聴けるってだけで、Apple Musicに加入する価値があると言っても過言ではない。いややっぱりちょっと過言かな。
"Glenn Gould Gathering"は、グレン・ グールドの生誕85周年にあたる2017年に企画され、坂本教授がキュレーションしたイベントだ。そのハイライトである、“Glenn Gould-Remodels”というトリビュート・コンサートの模様が収録されたライブアルバムなわけですなこれは。出演は教授ご自身に加え、アルヴァ・ノトにクリスチャン・フェネスってんだから恐れ入る。さらにピアニストのフランチェスコ・トリスターノ。ルクセンブルクの異才なんだそうだ。ごめんよわたくしは知らんかった。
とりあえず教授によるバッハの『フーガの技法』やコラールの演奏が聴けるってだけで値打ちあるじゃないですか。教授が弾くバッハなんて、実はありそうでない。少なくともわたくしは今まで聴いたことがない。そして“async”収録の名曲“andata”も。いやーこれがね、また良いんですよ、ものすごく。
で、フェネスやアルヴァ・ノトがいつもの感じでしゅわー、っとかぐしゅぐしゅ、とかやってみたり。
グールド作曲の『2つのピアノ小品』以外に、ギボンズとかスウェーリンク、というトリスターノの選曲はもひとつ意図がよくわからんが(わかる人にはわかるんだろうきっと)、それはそれでしみじみと良い感じなんである。
ちょっとマニアックにすぎる気がしなくもないが、これは値打ちありますなあ。