ノーベル文学賞

　大江健三郎の小説はどうも読みにくいし、やたら同じような話を使い回してるし、といつも思いながら、結構いろいろと読みました。なんだかんだ文句言いながら、特に初期のころの小説は、だいたい読んでます。今回は、数年前に出た最新作の「取り替え子 (講談社文庫)」を読みました。

取り替え子 (講談社文庫)

この小説では、大江氏の義兄であるところの伊丹十三監督の自殺を取り上げています。少し前に伊丹監督の「ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)」を読んだのがけっこう良かったな、と思いました。何がどう良かったのかわからんけど。あの本を読んで、なんとなくこんなんかなーと思ってた伊丹監督のキャラクタは、この小説に出てくる吾良さんと結構合ってると思いましたですよ。今回も例によって、「四国にある谷間の村」が出てきます。いつも、この「谷間の村」を含めた異様な世界に妙に惹き付けられて、「わかりにくい」と文句言いながらつい読んでしまうんですなあ。