野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

こんなオッサンおるかもな

「新源氏物語」の中巻まで、つまり「真木柱」の帖まで読み終わり、「潤一郎訳 源氏物語 (巻2) (中公文庫 (た30-20))」に戻ってきた。この巻では「胡蝶」までが収録されている。

潤一郎訳 源氏物語 (巻2) (中公文庫 (た30-20))

潤一郎訳 源氏物語 (巻2) (中公文庫 (た30-20))


いかさま、原文の雰囲気を極力損なわず、美しい日本語を堪能するならば、やはり谷崎訳を読むべきだろう(といっても原文なんぞ読んだ事ないのだけど)。
女癖の悪さが災いして失脚し、須磨に蟄居するところから始まるわけだが、須磨でしばらくおとなしくしていたかと思いきや、結局は明石の入道の娘なんてえのが出てきて、これが後の「明石の君」なわけだが、許されて京に帰ったころには姫君がお生まれになる始末。
京に帰ったら帰ったで、人の娘をどこぞの女に生ませた自分の子と称して引き取って育て、まわりの男どもが言いよってくるのを傍で見て楽しんだり、あげくは自分で迫ってみたり(「玉鬘」ね)。
夕顔の忘れ形見である玉鬘に偶然会った、女房の右近に対して

「どうして久しく宿へ退っていたのだね。珍しいことではないか。まじめ一方のそなたが、打って変わって若返ったりするのには仔細がありそうな。何か面白いことがあったのだろう」などと、例の面倒な冗談などを仰せられます。

美しい谷崎訳ではちょっとわかりにくいが、よく読んでみたら、なんかセクハラオヤジな感じの発言。この時、35歳だってさ。
んで、続けて巻三を読みたくてAmazonに注文したんだが、「お急ぎ便」を使わないとすぐには発送してくれないんだなあ。