最近よく読むウチダ先生の本は、すごく読みやすいのがあるかと思えばやたらと難解だったり。
今回読んだのは、「私家版・ユダヤ文化論」。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07
- メディア: 新書
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全世界の人口の中でユダヤ人の占める割合は0.2%に満たない。一方で、2005年度までのノーベル賞の自然科学分野における受賞者のうち、実に20%程度がユダヤ人であるという統計があるそうだ。なぜユダヤ人は、これほど知性的なのか?
ところで、
ユダヤ人とは、単一の国家に属する構成員ではない。
ユダヤ人とは、特定の人種を指すものではない。
ユダヤ人とは、ユダヤ教徒のことではない。
では、ユダヤ人とは一体誰なのか?
そんな問いに対する、ウチダ先生の長年の研究と考察が開陳されるわけだ。
その答えは最終章にて述べられているが… これがまた難解なのだなあ。
ちなみにこの本は「ユダヤ文化論」という体裁になっているが、「十分な知性を具えた人々が、なぜに愚劣な過ちをおかすのか」というテーマで読むこともできる。ユダヤ人ならぬ月並みな知性しか持たない俺様なんかの場合は、こういう読み方のほうがまだしっくり来るかな。ま、そんなふうに読み手の力量に合わせて色んな読み方ができるのが、この本の面白いところかもね。