お江戸日本橋から京都の三条まで歩くと、23日かかるらしい。
そんなことを本当にやった人が書いた、「落語の国からのぞいてみれば」という本がある。
- 作者: 堀井憲一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/17
- メディア: 新書
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書店で見つけて、何の気無しに手に取ってみて、面白そうなので買った。帰ってからじっくり読んだら、すごく面白かった。まあ要するに、色んな風習であったり社会通念であったりシステムというものが、今と昔ではずいぶん違うんですよ、てことなんだけど。それがどういうふうに、なぜ違うのかということを古典落語のネタをもとに分かりやすく説明してくれている。
たとえば時間。単位時間の長さは季節によって変わる。なんと。一日を昼間と夜(つまり日没と日の出でわける)にぱっかり二つに割って、さらにそれを四ツから九ツまでに等分する。んな無茶な、と思ってしまうが、当時の人々にとってはその方が合理的なのだな。年がら年中「お江戸日本橋七つ発ち」にできるし。以前「時間の比較社会学」で読んだ「牛時計」の話と同じだ。
(http://d.hatena.ne.jp/neubauten/20070513)
そんな話を、飲みながらウンチクを垂れるがごとき語り口で次から次へと展開してくれるこのスタイルは、しかし好みが分かれるかもしれないな。あたしはすごくツボなんだけどね。