野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

世界のニナガワが

カミュの「カリギュラ」が、新訳でハヤカワ文庫から出た、と少し前の新聞広告で見た。そして解説は内田樹、となればこれはやっぱり読んでみないと。

アルベール・カミュ (1) カリギュラ (ハヤカワ演劇文庫 18)

アルベール・カミュ (1) カリギュラ (ハヤカワ演劇文庫 18)


ウチダ先生の解説にいわく、

もし、カミュが何か「言いたいこと」があり、それを広く世界中の人々に、後世の人々に伝えたいと願っていたとしたら、彼はそれを戯曲という形では書き残さなかっただろう。

そして、

演劇において、戯曲家がそこに込めた「哲学的命題」がどれほど適切に観客に理解されたか、というようなことは問題にならない。演劇は何か有用な情報や正しい命題を後世に残すための手段ではなく、美しいものがまたたくうちに消え去るという事況そのものに立ち会う経験のことだからである。

ときたもんだ。そうだよな、何となくそんな気はするよ。
で挙句の果てには

カミュがこの本の読者に求めているのは、戯曲を読むことよりもむしろそれを上演することであり、上演された舞台の観客となることだろう。

てアンタ、そんなこと言うのかよ。
まあさすがに上演するのは無理としても、舞台を観に行きたいとは思ったね。またWOWOWあたりでやらないかな。