今から千年ほども昔、ろくに照明も無かった時代には、何やら妖しげなものたちが日常的にその辺にうようよしていたのかもしれない。そして、人であろうが動物であろうが物であろうが、霊は憑く。
「陰陽師」を読んでいるとそんな気分になる。
- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1991/02
- メディア: 文庫
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なんだか、「晴明君の呪(しゅ)入門」といった風情だ。博雅君が肴を持って訪ねてくる。晴明君と庭先で酒を飲みながら、博雅君がそっち方面の相談ごとを持ちかける。結局は
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった
ということになる毎回のパターンだが、その荒れ果てた庭先で晴明君が語る呪の話が、実に興味深いのだな。
原作を読むのは今回初めてだ。先にコミックのほうを読んだのだが、けっこう原作に忠実に作られているようだ。後に晴明君がスーパーサイア人になるあたり、原作でどうなっているのか、とても気になる。ぼちぼちこのシリーズも読んでみるとしよう。