「理科系の作文技術」といえば、とりあえずエンジニアなら読んどけ、という本のひとつだろう。その作者である木下是雄氏の新刊「日本語の思考法」が中公文庫で出た!とびっくりして読んでみた。
- 作者: 木下是雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/04
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
なんのことはない、中身は今まで色んな雑誌に寄稿したエッセイ等を集めたものだ。それも、新しいもので十数年前、古いものでは40年以上も前のものだったりする。そこで改めてびっくりだ。
そして、書いてあることと言えば結局「理科系の作文技術」と同じだ。ものごとをあまりはっきり言おうとしないのは我々日本人の美徳であるが、これは外国人に対しては通用しない、少なくとも学術論文や講演などにおいては言いたいことを断定的にかつ明確に主張せよ。そんな感じだ。いやまあ、別に同じような話を読まされたからって文句を言ってるわけじゃない。読み物としてそれなりに面白かったし、一貫性があって良いんじゃないかと思う。何十年も経った今でも、十分通用する内容だ。しかし一方で、やはり色んなところで時代の流れというのを感じざるを得ない。それはそれでひとつの味わいだ。