有害図書疑惑

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という、あのあまりにも有名なフレーズ。おそらく知らない人はいないのではないかと思うが、ちゃんと読んだことのある人は意外と少ないらしい。かくいう俺様もその一人だった。
というわけでこの正月、名作「雪国」を読んでみた。

雪国 (新潮文庫 (か-1-1))

この小説、教科書にも載ったりしていると思うのだが、そんなことして良いんだろうか。実は結構18禁な感じがするのだが。いやもちろんそんな露骨な描写がある訳ではないが、それだけに何というか、高度なエロティシズム、みたいなものがあって。淫靡な感じですな。
ちなみに二人のヒロイン、駒子と葉子、人によって彼女らに対する評価は色々だ。わたくしの感想としては、少なくとも駒子については「何じゃこの面倒くさい女は」といったところだ。葉子は「何じゃこのわけわからん女は」かな。
そして島村は、「猫と庄造とふたりのおんな」の庄造を彷彿とさせる。この男もはっきり言ってロクなもんじゃないと思う。
ストーリー的にはちょっと訳のわからん部分はあるものの、読んでてところどころヴィジュアルがばーっと立ち上がる感じのするところもあって、やっぱりその辺はすごいなと思った。次は「伊豆の踊り子」だな。