ウチダ先生によると、レヴィ=ストロース老師は「世界で一番かっこいい文章を書く人です」ということだ。
4年ぶりに、「悲しき熱帯」を引っぱりだして読んでみた。
- 作者: レヴィ=ストロース,Claude L´evi‐Strauss,川田順造
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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うん、確かにかっこいい文章だ。内容はあんまりよくわからないけど。でも4年前に読んだときよりは楽しめたように思うし、もう少し頭に入ってきたような気はするなあ。この前「レヴィ=ストロース講義」を読んだのが効いているのだろうか。
この本は老師の「構造人類学」や神話研究を解説する本ではない。そして紀行文でもない。そもそも最初から
私は旅や探検家が嫌いだ。
と言っているんだから、紀行文であるわけがない。紀行文じゃないけど、レヴィ=ストロースの思想を構成するパーツみたいなものがそこいら中にとっ散らかっていて、その思想を理解する、というか体感するための副読本のようなものなのかも知れない。
かっこいい文章、というより美しい文章だな。あ、ひょっとしてかっこい文章ってフランス語の原文のことを言っているのだろうか。だとすると俺様にはお手上げだけど。まあそれにしてもこの川田順造先生の訳は良いよな。前に読んだ時の感想にも書いているけど、全体になんか沈鬱というか陰鬱なムードがある。その陰鬱な雰囲気から醸し出される美しさみたいなものがあるような気がするのだよ。
まあIIのほうも、ぼちぼち読むかなあ。