野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

京都でわたしのお気に入り

京都市内というのは、申し訳程度に地下鉄があるものの、あちこち移動するのにはあまり便利とは言えないと思う。唯一残された公共交通機関としてはバスだろう。が、あんなの時間はあてにならんわゲロ込みだわで、地元民ならなにかうまい使い方があるのかもしれないが、少なくとも他所からやってきた人間にとってははっきり言って、「あまり使えない」というのが正直なところだ。
そんなアナタ(というか俺様のことだが)のための救世主となるのが、レンタサイクルというやつだ。だいたい一日千円ぐらいで使えるらしい。
今日は、京都へ行ってきた。まずはJR京都駅前のレンタサイクル屋で自転車を調達した。桜のシーズンなので、すべて出払ってしまっているかも、という恐怖に怯えながらも、行ってみればなんのことはない、昼前でもまだ20台ぐらいはあったようだ。とは言っても京都駅の南側の話。事前に調査した北側のレンタサイクル屋では、午前10時ごろに電話して訊いてみたところ、あと30分ぐらいですべてなくなってしまうであろう、という見通しであった。
さて京都市内を移動するための足を確保した後でまず向かうのは東本願寺である。
井上雄彦画伯の描いた「親鸞」の屏風が拝めるのだ。
入場は無料だが、整理券をもらわねばならんらしい。整理券をもらって、「では午後◯時に来て下さい」などと言われたらどうしよう、と思っていたのだがそんなことはなく、普通に入場できた。途中で御影堂など見ながら順路にそって進んで行くと、寝殿に入るまでのところで大変な行列になっていた。だいたい200人〜300人ぐらいになるんじゃなかろうか。そっからかれこれ30分ほども並んで、やっと屏風にご対面である。
でも、並んでまで待ってよかった。なんじゃこの画が発するパワーは。あと10分でも20分でもずっと観ていたかったが、後が詰まっているし、ということで大寝殿を出て行った。なんと次の間では、メイキングビデオを上映中である。
これも観たくてたまらなかったのだが、なにぶん後の予定が詰まっているのである。そもそも東本願寺でそんなに時間をとるとは思っていなかったので、ちょっと時間的に余裕がなくなっている。
できるだけ人や車の少ない裏道ばかりを選び、北白川を目指して激走した。
そんなに急いでどこへ行くのかというと、昼飯に麻婆豆腐を食べに行ったのである。
また麻婆かよ。
かねてから噂に聞いていて、いつかは行かねば、と堅く心に誓っていた駱駝である。ここに午後2時までに着かねばならんのである。2時を過ぎてしまうと、ランチが終了する。
午後2時とほぼ同時に入店した。そして当然、麻婆豆腐のランチを注文した。
この麻婆豆腐がまた辛いのだ。辛味好きの人々にとってはひょっとするとまだ物足りないのかもしれないが、少なくともこの俺様に余計な軽口を叩けなくするぐらいには十分に辛かった。毛穴全開。山椒が利いてるなこりゃ。でも美味いぞ。量もええ感じだし。玉子スープも美味。
という感じで汗をかいてしまったので、スターバックスでフラペチーノでも飲みたいなと思い、カナート洛北へ。こんなことができるのもチャリだからだ。こいつあ便利だ。
スターバックスに着いたら、ちょっと気が変わった。さすがにフラペチーノはやり過ぎだ。お腹が冷える。陽が差せばかなり暖かいとは言え、まだちょっと日陰にでも入ればやっぱり肌寒いのだ。ということでカプチーノに変更。カナート洛北の前には高野川が流れており、川沿いの桜並木がまた非常に良い感じになっているので、テイクアウトでここまで持ち出して一服。と見ていると、抹茶フラペチーノを飲んでるおにーちゃんがいた。あんたきっと後悔するよ。
次の目的地に向かう前に、ちょっと下鴨神社に寄ってみた。先日読んだ「有頂天家族」を思い出し、うぷぷ、ここに狸がおるんやなと思いながら糺の森を散策した。
そして本日の最終的な目的地である、京都国立近代美術館へ。懸案になっていたクレー展を観るのだ。
クレー展の件については、長くなるのでまた後日。まあ大変に結構でございました、とだけ言っておこう。
写真は美術館の南側を南北に流れる疎水のあたりに咲いていた桜である。この界隈もまた桜が見事に咲いていた。

という感じで、一日満喫したのでございました。やっぱり京都は自転車ですな。