野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

なんぼ新訳でもわからんもんはわからん

光文社古典新訳文庫で、もうすぐマルクスの「資本論」が出るらしい。
というような話をどこかで聞いたか読んだかしたように思うのだが、そんな情報はどこにも見当たらない。うーんなんかの勘違いかなぁ。
ということで、しかたがないから(?)同じ古典新訳文庫の「経済学・哲学草稿」を読んでみることにした。

経済学・哲学草稿 (光文社古典新訳文庫)

経済学・哲学草稿 (光文社古典新訳文庫)


いやもう、さすが「草稿」だけあって、あんまり人に読ませることを考えてないんじゃなかろうか。最初の方なんてアダム・スミスの引用ばっかりだし。
本のオビには、「働くほどなぜ人は貧しくなるのか?」と書いてある。その理路は本書の中に説明されているのだが、あたしにはこれがまたちーとも分からんのだな。なんなんそれ。なんとなく、けっこうスゴいこと書いてるような気はするんだけどなあ… と思いながら。
で、訳者による解説を読んでみると、いきなり「『経済学・哲学草稿』は一冊の書物としては、はなはだ中途半端な、不完全な作品である」ときたもんだ。何じゃいそれ、そんなもんわざわざ新訳までして出したんかいな!?だいたいマルクスが途中で投げ出して結局は完成しなかったとか言ってるし、しかも原稿を紛失して欠落してる部分があったりするし。そんなんコレクターズ・アイテムやろほとんど。
いやーまったく参りました。