あたしはね、中学生ぐらいのときは「歴史」ってわりと得意なほうだったんですよ。それが高校の選択科目で「世界史」をとってからというもの、そりゃもう大変なめにあったわけでね…
おっさんになってから、「ローマ人の物語」シリーズを読んで、やっとなんとなくあの時代の歴史というかそのへんの雰囲気というのがなんとなくわかって来て、それで思ったのが、高校で使ってるような、あんな教科書でさらっと書かれていることを読んでも歴史なんて理解できまへんやろ、ということだ。
なのに、新潮新書で「日本人のための世界史入門」なんていうのが出てるのを見て、つい読んでしまった。
- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: 単行本
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まあそんな人はいないと思うけど、これでマジメに歴史を勉強しようなんて思わない方が良い。いやまあ当たり前だけど。本のオビに「古代ギリシアから現代まで。3000年を一冊で大づかみ!」なんて書いてある。無理ですって。大づかみもできるわけないですよ。本気にしたらダメよ。
この本の著者、小谷野さんっていったいどういう人かわたくしは知らないけど、ひとことで言えば「けったいなおっさん」だろうな。まあ控えめに言って、かなりクセありますよ。でもそれがこの本を面白くしていると思う。先に書いたように、これでマジメに世界史を勉強しようなんて思うと金をドブに捨てることになるが、何と言うか、居酒屋でイカの塩辛でもつつきながら、ちょっとヘンコなおっさんのいつ果てるとも知れないウンチク話を適当に流しながら聴く、という態度で臨むと、これがなかなか楽しい。とにかくものすごい勢いで3000年の世界史を流して行くわけだが、途中であれこれと、映画とか小説とかアニメとかの元ネタであるとか、あるいは現在使われている言葉の語源、ときには著者の独特の思想の一片を披瀝したりしながらダラダラと。
結局、あとがきには「だいたいでええんや」なんて書いてますからね。ま、そういうことですよ。