釈徹宗せんせの、「仏教ではこう考える」を読んだ。
- 作者: 釈徹宗
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2013/07/09
- メディア: 文庫
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釈さんは科学解説者のように仏教を語る。
岡田斗司夫さんが、文庫版の解説の冒頭にこのように書いていた。まったくその通り。この本を読みながらずっと感じていたことを、ずばり言い表していると思う。世間のいろいろな人から寄せられた、仏教に関する様々な謎や疑問に関する質問に対して、実にていねいに、そして誠実に回答されている。しかしその態度は、浄土真宗の僧侶というよりは、宗教学者といった方がしっくり来る。いやまぁ実際、比較宗教思想を専門とする学者でもあるのだけど。自身の信心すら相対化してしまい、一歩引いて宗教を見る(そもそも「仏教ではこう考える」というタイトルにその辺が表れている)、という態度は僧侶としてはあまりよろしくないのかも知れないが、わたくしなんぞにとってはそのあたりが逆にとても魅力的なのだな。そんな感じで、たいへん面白い一冊でございました。