おっさんと乙女と元ヤンと

「和菓子のアン」、これまたR文庫。レイさんはいったいどこからこういう本を見つけてきはるんかしら。

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子の世界は、見立てやメッセージに満ちている。
まったくその通りですな。ついでに語呂合わせとか駄洒落とかもね。実に奥が深い。日本の風土・歴史・伝統を、遊び心たっぷりに取り入れた、まことに豊かな文化と言えましょう。
ちょい太めのおねーちゃんがデパ地下の和菓子屋でアルバイトを始める。さわやかなショートヘアがよく似合う大人の女性、だけど中身はおっさん、な店長とか、イケメンの和菓子職人、でも実は乙女キャラ、な立花さんとか、そういうカラフルな登場人物が、和菓子にまつわる謎解きをする。と、実はミステリーなのですねこれは。いや誰も殺されたりはしませんけど。
何よりも、アンちゃんが本当に美味しそうにお菓子を食べる。その様子が実に良い。まさに和菓子への愛ですよ。読んでると和菓子が食べたくなりますな。