野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

君は「がきデカ」を知っているか

死刑についてどう思いますか?と訊かれれば、そりゃ人を殺しちゃイカン、と言ってるんだから、仮に誰かが人を殺したからってそいつを殺しても良いということにはならんでしょう。と答える。一応それで理屈は通っているはず。でも、やはり理屈だけでは通らないことというのがあるわけで。

死刑 (角川文庫)

死刑 (角川文庫)

だから、とにかく考える。そして、いろんな立場の人に会いに行き、話を聴き、またぐるぐる考える。答えは出ないかもしれない、でも考えるのはやめない。この辺が森さんの作品の魅力だと思う。先日観た映画「ハンナ・アーレント」にも出てきた有名なキーワード「悪の凡庸さ」、自分で考え、判断することを放棄してしまうことに「悪」は宿る。共通してそんなメッセージを感じる。などと思っていたら、まさにこの本の中でアーレントの「イェルサレムのアイヒマン」について言及されていた。うーむ、気になる本だが、さすがにちょっと高いなぁ…
この「死刑」については、色々と感じるところはあったが、そのあたりうまくまとめて書くのは難しい。などと言っているうちに1週間ほども経ってしまったなので上記のとおりさらっと書くにとどめる。