野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ガラパゴス上等

仕事で、とあるプレゼン資料を英訳しているのだけど、かなり難儀している。
日本語で読んだり聴いたりするぶんには、なんとなくわかったような気になるのだが、さてこれを英訳しようとすると、とたんに意味不明になるのだな。まあよくある話だけど。もとの文章がポエムだからだ。ポエムが訳せるわけがない。
てなことを言うと、だから日本語てのは論理的な文章を書くのに向いてないだとか、だから社内公用語を英語にするべきだ、とか、そんなことを言う連中がわらわら湧いてきそうだ。
それは違うだろ、と言いたい。
日本語だって論理的な文章はいくらでも書ける。などと言うと、いやいやそうなんだけど、英語の方が論理的な文章を書くのに向いているのだよ、と反論されるかもしれない。
んなこたーない。英語でもぜんぜん論理的じゃない文章なんていくらでも書けるし、実際そんなテキストを読んだこともある。
日本語で書いた文章が容易にポエム化してしまうのは、日本語のせいじゃない。なによりもまず、その作者がポエマーだからだ。書いた本人が自分の中で、何を言いたいか論理的に整理ができていないからだ。
それでも日本人にはなんとなく通じてしまうのは、日本語というより日本の社会がハイコンテキストな社会、つまりコンテキストの多くの部分を共有しているからだ。そういうと、だから日本人は内向きで、とかガラパゴス云々、とかしたり顔で言う連中が湧いてきそうだが、別にそれでもいいじゃないか。それはコミュニケーションのコストが低い、平たく言えば「話が早い」ということなんだから。
問題は、それが身内だけで通じる方言みたいなものだ、ということに気付かず、どこに行っても同じように話したり書いたりしてしまうことだろう。これは確かに痛い。

だからねえ、もうちょっと意味が分かるように書いて下さいよお願いしますよぉ。