野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

アヘンとペストとネズミ映画

柳広司の最新作、「楽園の蝶」をいただきましたですよ。

楽園の蝶

楽園の蝶

第二次世界大戦のころの満州を舞台にした小説なのだが、なにぶんその辺りの知識が致命的に不足しているため、いったいどこまでが史実で、どこからが作り話なのかが判然としない。満州映画協会なんてものが本当にあったのだと知って驚いているような次第だ。そして、理事長の甘粕正彦、どっかで聞いた名前だなと思ったら、そうだ「ラスト・エンペラー」の甘粕大尉だ。坂本教授がやってたやつね。
で、満州を影で支配していたのは甘粕理事長、なんて噂も実際にあったらしく、そのあたりをぐぐっとふくらますとこんなお話になるというわけで。
まあそんな事情はありながらも、物語の最後に、あれこれ仕込んであった数々の伏線が綺麗に回収され、そして様々なパズルのピースがかちかちっとはまっていくように謎が解けていくこの快感、たまりませんですね。