野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

シャガールと蕎麦とけものみち

3日めの白馬もまた、快晴だ。
前の晩は21時ごろに就寝し、起きたのは7時過ぎ。いったいどれだけ寝れば気が済むのかと我ながら感心する。
宿の近所を30分ほど散歩して、朝食はがっつりとシーフードのリゾットなど。
f:id:neubauten:20140802102930j:plain
9時半ごろに宿をチェックアウトし、ごく近所にある白馬美術館へ。
f:id:neubauten:20140802103138j:plain
実は今回の目的地を白馬にした理由は、涼しいからというのはもちろんなのだが、シャガール作品を所蔵する美術館があるから、というのが大きいのだ。その白馬美術館、なかなかええ感じの佇まいで。
f:id:neubauten:20140802103025j:plain
入り口の建物と通路でつながっている銅版画館、文字通りシャガールの銅版画作品を展示している建物であるが、これまた音楽堂でもある。
f:id:neubauten:20140802103117j:plain
キャパはおそらく100人程度であろうホールの天井は自然光を採り入れられるようになっており、またステージの後ろは全面ガラス張りで、そのまま林が見通せる。我々の滞在中、この音楽堂で白馬国際音楽祭というのを開催中であり、夜のコンサートに向けて、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3人で公開リハーサル中だった。展示されているシャガールの版画作品はもちろん素晴らしいが、彼らの演奏もまた、つい聴き入ってしまう。そうこうしているうちにもう一人のヴァイオリン奏者とピアニストもやって来て、5人でリハーサルを始めた。せっかくだから、というのでこれを一曲丸ごと、じっくりと聴かせてもらった。これがまたなんとも言えず良い。誰の何という曲か、よくわからないけども。
美術館が期待以上に良かったので、少しばかり長居しすぎてしまった。次へ行こう。
往路でもちらっと見かけた、青木湖へ行ってみた。なるほどデカい湖ですな。
f:id:neubauten:20140802103221j:plain
ついでにカヌーなんぞもあるとは知らんかった。なんだかんだで湖の周囲の道を、ほぼぐるっと一周するような格好になってしまった。
f:id:neubauten:20140802103244j:plain
昼食は、さる人のオススメにより、美麻にある山品というそば屋へ行くことにした。店の電話番号をナビに入れたらちゃんとルート案内してくれるのはありがたいが、なんだかとんでもない山越えルートでワインディングを走らされた。
まあそれはそれとして、無事に山品に到着。
f:id:neubauten:20140802103307j:plain
周りは畑ばかりで、こんなところに店なんかあるんかいなとちょっと不安になる。田舎の大きな民家をそのまま店にしたような感じだが、たいそう繁盛しているようだ。我々の前に3組ほど待っている。外のテントで20分ほど待機した後、案内されたのは畳敷きの大広間だ。座卓がいくつか置いてあり、それぞれの席になっている。我々の席は仏壇の前。まさに民家そのまんまだ。
もりそばを2人前注文したのだが、十割そばもありますよとのことだったので、十割と普通のやつと一つずつにした。ついでにそば粉のうす焼きというのも注文した。で、十割そば。美味い。
f:id:neubauten:20140802103327j:plain
そしてけっこうボリュームがある。うす焼きは余分だった。
f:id:neubauten:20140802103346j:plain
けっこう分厚いうえに、ねぎ味噌で濃厚な味なのだ。
お昼を食べたら、最後に鷹狩山へ行ってみようということになった。360°パノラマ展望台のある山頂まで車で行くことができる、らしい。実際はちょっと… うーん微妙にショボいかな。
f:id:neubauten:20140802103425j:plain
だいたい360°は言い過ぎでしょ。
てことで、じゃあ下りましょうということで、ナビに案内をさせたところ、なんだかエゲツないケモノ道に入らされた。これちょっとおかしいよやめたほうがいいんじゃないと妻は心配するのだが、いやいや未舗装ではあるもののちゃんと車の通った跡があるではないかと強行突破しようとした。のだが数十mほども進んだところで道はとてつもなく細くなり、おまけに大きな石がごろごろしている。左手はガードレールもない崖で、少し先は一部崩れている、という、見るからにに危険な状態である。さすがにこれ以上先には進めない。ではこの数十mの隘路をバックで戻れというのか。まぁそういうことだ。というわけで、まあホントえらい目に遭いました。
最後にそんなオチをつけながらも、ぐだぐだ白馬旅行の日程はすべて終了(もともときっちりした予定なんぞ無いのだけど)。あとは高速を走って大阪まで帰るだけ、なのだけど遠いねえやっぱり。それでも21時前ぐらいには茨木まで帰り着き、晩飯は近所の黒兵衛でラーメンだ。
白馬、あるいは信州はほぼ初めて来た(はるか昔に一度だけ、たしか野沢温泉にスキーに来たことがあある)が、良いところだなーと思った。また来たいが、なにぶん遠いのだな。移動に軽く半日かかるから、それなりに気合を入れなければならない。まとにかく、いずれまた。