"Bitches Brew"ってエレクトリック・マイルスを代表する名盤、ということになっていて、「フュージョン」と呼ばれるジャンルを確立した、てなことになってるらしいけど、それを真に受けてこのアルバムを聴くと、1曲めからいきなり20分を超える大作で、なんだかすごいメンツらしいんだけどもとにかく好き放題やってるのをひたすら垂れ流してるだけにしか聞こえなくて仰天すると思うんだな。だいたいジャケットのデザインからして、やたらアクが強いというかおどろおどろしいというか。
- アーティスト: Miles Davis
- 出版社/メーカー: Sony
- メディア: CD
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いやとにかく仰天させたろ、というのがプロデューサーのテオ・マセロの意図したところなのだとしたら大成功と言えますわな。
わたくしは先に"A Tribute to Jack Johnson"とか"Live Evil"を聴いているので、さほど抵抗はないけど、それでもしょっぱなから"Pharaoh's Dance"をカマされたら、ちょっと怯むのよな。
でもほんと"Spanish Key"なんかはカッコよくて。キーボードはおそらくチックコリアだと思うのだけど、時折ばしっと入るエレピの決めフレーズみたいなのが、いかにもチックコリア、て感じで、そりゃもう笑えるくらいに。
ちょっと慣れると、"Pharaoh's Dance"や"Bitches Brew"の怪しい混沌、なんだかよくわからないどろどろしたものが迫ってくるの、てのもまた、エエ感じなのよね。
というわけで、やはり名盤なのだと思います。