最近あまりタワーレコードに行かなくなった。音楽をダウンロード購入する割合が以前より増えていると思う。ジュンク堂にもあまり行っていない。こちらも、単純に読書ペースが落ちているのに加えて、やはりkindleを導入したということが無視できない。これは何もわたくしだけでなく、程度の差こそあれ世の趨勢なんではないかと思う。実際、以前にも何度か触れたように、タワーレコードのCD売り場は、じわじわとその面積が小さくなっている。これが世の趨勢、と言いつつもやはりわたくしはすでに古い世代の人間で、こういったリアル店舗が消えていく様を見るのはなかなか淋しいものがある。大した用がなくても、やはりたまにはリアル店舗をいろいろ徘徊しようじゃないか、と思うのだ。店に行くと、Amazonのおすすめをブラウズするのでは得られない体験というのもあるわけで。
土曜の夜におっさんたちと飲みに行く前、少し時間が空いたので、久しぶりに大阪マルビルのタワーレコードへ行ってみた。ここは売り場面積も小さくならず、けっこう頑張っているなあ、と思いつつ、ジャズとクラシックのコーナーへ行ったところで、店頭でかけられている曲が耳に入って、「おっ!?」となった。そう、これなんですよ。今までにも何度となく、このタワレコ店頭での「おっ!?」で、それまで聴いたことのないCDをあれこれと買ってきたのだ。
今回の「おっ!?」は、アンリ・テキシェの“Sand Woman”。まったく聞いたことのない名前だ。最初に耳に入ってきたギターの音からして、「あれ、パット・メセニー?」と思ったがそうではなかった。何だかよくわからないけど、ものすごい勢いのある演奏に妙に引き込まれ、ちょいとこのアルバムを買ってみることにした。月末で有効期限の切れるタワレコポイントもあったし。
わたくしは知らなかったけれども、このアンリ・テキシェというおじいちゃん(おじいちゃんだったのだ!)、フランスではもはや重鎮と見られるレベルの人だったんですな。そのおじいちゃんが若手のメンバーと組んだクインテットによる演奏。これがねえ、なんともいえん不思議な熱気に満ちてるんですなあ。ヨーロッパのジャズってわざわざ好きこのんで聴きはしないのだけど、何だかこれにはすっかりやられた。
てなわけで、やっぱりタワレコ探検はやめられない。