野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

文句があったら、いつでもベルサイユにいらっしゃい

十二国記』revisited企画も、新作が具体的に今年のいつ出るのかまだ不明なので、少しばかりスローダウンさせている。そんな中で『風の万里 黎明の空』の上巻。

陽子が慶国の王となって再登場。また、あまりに苛烈な政治を行ったために弑された芳国国王の王女・祥瓊と、蝕により蓬莱から流れ着いた海客・鈴。この辺が主役かな。
ゴッドファーザー』でマイケル・コルレオーネは「権力をもつものは,大きな責任がある」と言った。noblesse obligeってやつよね。まあコルレオーネ・ファミリーはちょっとnoblesseとは言えないけども。
そして、『ノルウェイの森』の主人公ワタナベ君の先輩である永沢さんの台詞に、「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」というのがある。
祥瓊も鈴も、なかなか大変な目に遭っているわけだけども、つまりそういうことなのだよ。って、何が「そういうこと」やねんと言われそうだけども。
そういえば『ベルサイユのばら』で、ロザリーの母親はポリニャック夫人の馬車に轢き殺されたんだったな。いつの時代でも、庶民は専横の限りを尽くす権力者の馬車に轢かれて、泣き寝入りをせねばならんのだろうか。