野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

細かいところでいろいろと

騎士団長殺し』が第2部『遷ろうメタファー編』になり、いよいよ常軌を逸した物語になってきた。

と同時に、村上作品におなじみのモチーフもちらほらと登場する。認知症の老人で養護施設に入っているはずの雨田具彦も、主人公の「私」も、生霊として空間の物理的な制約を超えて活動する。ああそういえばイデアの騎士団長はもっと自由自在だな。主人公が生霊になって父親を殺すのは『海辺のカフカ』だ。田村カフカの父親も画家じゃなかったっけ?いや違うな、彫刻家か。
そして免色は謎の紳士だが、ひょっとすると彼の娘かも?という秋川まりえもまた、謎の少女だ。どことなく『1Q84』のふかえりを連想させる。まりえは(たぶん)ディスレクシアではないが、しゃべり方がふかえりに似ている。
免色はむかし東京拘置所に400日以上拘留された、という話も出てきた。拘置所に持ち込める本の冊数には制限があるが、辞書はその中にカウントされない。だから拘置所は語学の勉強をするのに向いている。ってそれ、佐藤優ちゃんじゃないか。
などと言っているうちに、とうとう第2部も後編へ。いよいよえらいことになってきた。