朝日新聞のGLOBE+に「小国に生きる」という特集記事が載っていた。そこに取り上げられている「国」のひとつがマルタ騎士団、正確には「エルサレム、ロードス及びマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会」という冗談か嫌がらせみたいに長い名前だ。
あ、これって、読み終わったばかりの『ロードス島攻防記』に出てきた聖ヨハネ騎士団じゃないか、と気付いた。
コンスタンティノープルを陥落させたメフメト2世の残虐・冷酷ぶりからすると、ロードス島を攻略した3世代後のスレイマン1世は、ずいぶんと紳士的だったようだ。実際はどうだったのか知らんが、少なくともそのように描かれている。
最終的には聖ヨハネ騎士団に無条件降伏を受け入れさせるわけだが、そこまでの経緯だとか降伏後の取り扱いだとか、「武士の情」みたいなのがいろいろあって、ホンマかいなと思ってしまう。
この『ロードス島攻防記』のポイントはいくつかあるのだが、そのうちのひとつが、戦争におけるエンジニアリング、特に建築・土木分野の進化、かな。ベースになる文献なり史料があるのだろうが、それにしても相変わらず、見てきたようにお話を作り上げるのがすごいな、と感心してしまう。
さて次はいよいよ「海戦三部作」の最後、『レパントの海戦』だ。年内には読んでおきたいな。