21世紀の華夷秩序

朝日新聞社と集英社による連続講座「本と新聞の大学」だ。その第2期の講義録が「東アジアの危機」なるお題で出ている。

東アジアの危機 「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書)

21世紀は「新・帝国主義」の時代。そして、東アジアでのパワーバランスは大きく変わり、なんともきな臭い状況の昨今だ。
だからってナショナリズムやレイシズムに走り、やたら勇ましいことを吠えたてたからって、事態が悪くなることはあっても、良くなることはまず無いだろう。まあそんな時はアレだ。ちょっと落ち着いて、いろいろ冷静に考えてみようじゃないか。
そのために必要な知識とか、視点とか、ものの考え方というものを、政治、経済、軍事、歴史その他もろもろ、その筋の識者のみなさんが講演するというぜーたくな企画だ。ふだん持っているもやーっとした思いについて、切れ味良く言語化してくれているのがまた痛快だ。実に濃厚な味わいの一冊である。