野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

Taking islands in Africa

さるお方が「風に立つライオン」を貸してくださいまして。

風に立つライオン (幻冬舎文庫)

風に立つライオン (幻冬舎文庫)

ちょうど、映画の劇場公開も始まったところですな。さだまさしさんって小説なんかも書かはりますのね、なんて思ってたら実はすでに何冊もあるやないの!医者のコーイチローが、アフリカの僻地の病院へ行く、てな話なわけだが、そもそもこの「風に立つライオン」てのは歌が先にあったのだとか。つい先日、車を運転してるときにたまたまラジオでかかってて聞いたんだが、実は1987年の曲だってんだからけっこう古い。しかもこの曲の歌詞には実話のモデルがあるんだとか。それをわざわざ小説にしたんですな。
主人公のはずのコーイチロー、実は本人は直接にはまったく出てこない。周辺の人々の語りだったりメールやら手紙やらで構成されていて、しかもこのお話が語られている時制においては、コーイチローがすでに存在しないことが示唆されている。落語の「らくだ」と同じですな。
感動の物語、なのだろうけど、わたくしにはアフリカ土着の数々の奇病・難病の方が気になって、話の細かいところがよくわかってないような気もする。けどそんなこと気にしても仕方がない。それよりも、やはりアフリカというのは暗黒大陸なのだと思わずにはいられない、こういう話の方に、ついわたくしの興味は引かれるんでありますなあ。