野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

国元に帰るまでが参勤交代

昨年観た『超高速!参勤交代』の続編、『超高速!参勤交代 リターンズ』を観た。

超高速! 参勤交代リターンズ [DVD]

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そりゃ江戸へ行く往路があれば、国元に戻るための復路、つまりリターンがあるのは当然ですわな。

湯長谷藩の国元で、一揆が起こった!ということでまた急いで帰らなければならない、というお話。これはもちろん前作でやられてしまって「覚えとけよコラ!」となった悪役の老中・松平信祝の陰謀なわけだ。今回は国へ帰る道中よりも、一揆を理由に改易され、尾張柳生藩の管理下に置かれている湯長谷藩を奪還する、というのがメインだ。

松平信祝の陰謀を察知して奉行所が内偵をしている、てのはまあ言ってみれば東京地検特捜部が動いてるみたいな話か。時代考証的に正しいのかどうか知らんが、大岡越前守まで登場し、これがまた古田新太という配役がすごい。で、これがまたあまりにハマリ役なので驚いた。

全体に、時代劇のクリシェをふんだんに散りばめた良質のバカ映画だ。とても面白い。

アキバの酒場にて

東京に出張だったので、たまには秋葉原を経由して帰ろうかな、と。

残念ながら、こんな時に限って仕事が押して、秋葉原に着いたのは18時半近く。そうなるともう、アキバの酒場名物の枡盛りは終了しちまってるわけですよ…

それでも幸いにして、アジフライはなんとか間に合った。

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けっこうギリギリだったけど。まーそれにしてもウマいよねこれ。

新幹線の時間ギリギリまで呑んだくれて、もちろん予約した新幹線は新大阪どまり。コンセントのある窓際A席にしたけど、ほとんど寝てたしあんまり意味無いやん…

てことで、帰宅することには日付が変わっておりました。東京で飲んで帰るのは、金曜日でもないと、なかなかしんどいですな。

ポーターの逆襲

マイケル・ポーターの『IoT時代の競争戦略』という論文を掲載し、IoTを特集した2015年4月の『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』は売り切れになったらしい。その特集に、さらにポーターの『IoT時代の製造業』という論文を追加し、『IoTの衝撃』という書籍として売り出したダイヤモンド社、なかなか商売上手やないの。

IoTの衝撃―――競合が変わる、ビジネスモデルが変わる (Harvard Business Review)

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しかしまあ何ですな、ポーターなんてもう古いぜ、なんて言われたりもするけど、それでもこうやって目先を変えれば雑誌が売り切れになるくらいに注目を集めるんですな。それはもちろんポーターの手柄だけではなく、そっち系の人々のIoTに対する関心の強さによるところも大きいわけで。これ別に競争戦略論として新しい枠組みを提唱しているわけではなくて、ポーターのFive ForcesフレームにIoTというファクターを入れるとどうなるか、て話なので、それを論ずるのは別にポーターでなくても良いと思うのだけど。それでも、その競争戦略論の始祖であるポーターが語るからこそ説得力があるんですかね。知らんけど。これだけ環境・前提条件が激変した現代においても、まだ十分に使えるぐらいにポーターの競争戦略論は出来が良いんだぜ、というポーター自身によるアピールなんかな。でないと、間違った解釈と使い方をしておきながら「IoTによってゲームのルールが変わる、もうポーターの競争戦略論は古い」なんて言う、ちょっと落ち着きのないやつが出てきそうだもんな。
読みながら、そりゃまあそうですわねぇ、とか、はぁなるほどそういうふうになるんですねぇ、などと思うものの特に興奮するような話ではなく、正直なかなか頭に入ってこない、というのがこの本全体を通しての印象だった。まあ基本的に「論文」なので、わたくしの頭が、あまりそういうものを読むのに向いてない。ということなんでしょうねぇ、残念なことに。

個人情報流出にチューイして!

ホルガー・シューカイが亡くなりましたか。残念なことだ。

デヴィッド・シルヴィアンがコメントでutterly unique とかirreplaceable などと表現していたが、まさにその通りだと思う。ちょっと他にいませんわね、ああいう人。
カンのベーシスト、と紹介されるが、さほどカンを聴き込んでいるわけではないわたくしにとってはどちらかというとデヴィッド・シルヴィアンのアルバムで吹いていたフレンチホルンのほうがずっと印象的だ。ソロ作品も好きだし、特にジャー・ウォブル、ヤキ・リーベツァイトとの"Full Circle"は昔からわたくしのフェイバリットだ。

Full Circle

Full Circle

初めてカンを聴いた時には、「ふーん?」てなもんだったが、このアルバムの1曲めの"How much are they?"ではすっかりヤられてしまったものだ。しかしこの曲、CMで使われてたとは知らんかったな。

本日また歯医者へ行き、やっとのことで本命の虫歯治療に着手していただいた。これもわたくしがリマインドしなければ、そのまま忘れ去られてスケーリングだけして終わり、になるところだったのだ。そもそも治療の前に、
「親不知が2本あるよね」
「いや1本はだいぶ前に抜いてもらいましたけど」
「え?でもほらここに」
と、診療台の横に置かれているレントゲン写真を指差すが、それは山根美佳さん(仮名)37歳の写真です先生。
先行きがいろいろ心配ですわ…

ドリルを所有する喜び、てのも考えてみてほしいんだ。

訳あって『ホワイトスペース戦略: ビジネスの<空白>を狙え』なんて本を読んだ。

ホワイトスペース戦略 ビジネスモデルの<空白>をねらえ

ホワイトスペース戦略 ビジネスモデルの<空白>をねらえ

  • 作者: マーク・ジョンソン,Mark W. Johnson,池村千秋
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2011/03/29
  • メディア: 単行本
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ホワイトスペースって何だ、ブルーオーシャンのお友だちか?と思ったらそうではなくて、「その企業の既存のビジネスモデルが活動の対象としていない領域」「コアスペースと隣接スペースの外にあり、新しいビジネスモデルを確立しないと生かせない領域」のことを指している。昔なら、そんな無理なことやめとけや、てな話だと思うのだけど、今はそんなこと言うてられしませんの。
んで、この「ビジネスモデルを変える」というのがポイントで、つまりこれはいわゆるところのビジネスモデル・イノベーションについての本なのですな。
で、この「ビジネスモデル」て単語。1990年代の終わりぐらいからバズり始めたんじゃないかなと思うけど、それっていったい何なのよ?と問われると、なんだかわかったようなわからないような。その分いろんな本も出ていて、中でも『ビジネスモデル・ジェネレーション』あたりは有名ですわね(読んでないけど)。あの本ではビジネスモデルキャンバスというフレームを提唱しているわけだが、本書で「四つの箱」とか言ってるのは、いわばあのビジネスモデルキャンバスを少しシンプルにした感じでしょうか。
「四つの箱」のそれぞれに対応するビジネスモデルキャンバスの項目としては、
「利益方程式」はRevenue StreamとCost Structureで、「主要経営資源」がKey ResourceにKey Partner、「主要業務プロセス」はKey ProcessとKey Activity、かな。重要な要素として両方にあるのが顧客価値提案=Value Proposition、そりゃまあこれがないと話になりませんわな。ビジネスモデルキャンバスのCustomer Relationship 、Channel、Customer Segment、についてはばっさり無視されているけど、顧客価値提案に含まれている、と考えられなくもないな。
ビジネスモデルキャンバスでRevenue StreamとCost Structureと呼んでいたものを「利益方程式」に入れたのはわかりやすい。というかここの設計がかなり大事、というのが腑に落ちた気がする。これは「主要業務プロセス」とも関わってくるし、この部分をいじるのは大ごとよね。だからジェフリー・ムーアは、コンプレックス・システムとボリューム・オペレーションのビジネスは混ぜるな危険、といったわけで。
たまにはこの手の本も読まんとあきまへんなぁ。

夏をあきらめて

いやもうほんとに、あっという間に9月になってしまったなあ、と呆れるばかり。買い置きの6本パックは2週間ほど前から秋味だけども。
ずいぶん長いこと整骨院に通って、だいぶ腰痛も良くなってきた。最近はどちらかというと足首の方が痛い。腰痛が良くなった分、足首の方が気になりだしたというべきか。
先週の土曜日も昼間に整骨院へ行ってその後、法然院へ行く前の短い時間に遅い昼メシを食べることにした。やはりこの、9月になったことだし、すみれSeptemberは一風堂だわな、と赤丸新味、麺硬めで。

Google検索で「土屋昌巳」と入れると「現在」とサジェストされるのが何とも物哀しい。65歳なのか… 画像検索したら研ナオコがもっと出てくるかと思ったけど、そうでもなかったな。
でもほんと、最近どうしてるんでしょうねこの人。

マリコは存在しない

驚いたことに、また北大路公子大先生の新作が出ているではないですか。おかしい。何かがおかしい。あんなにおビールを飲んで、テレビドラマに文句をつけて、相撲を見て、夜中にものを食べて、Twitterで「仕事したくない」とつぶやいているというのに、前作からほんの数ヶ月でもう新作が出るとは。

私のことはほっといてください (PHP文芸文庫)

私のことはほっといてください (PHP文芸文庫)

ひょっとすると、担当編集者Yさんからの原稿督促の電話に対して「今度はYさんが書く番」と言い放ったあの斬新なアイデアは、あっさり却下されたように見えてその実は、裏で密約が交わされ、本当にYさんが書いていたりはしないだろうか…
そうなると気になって仕方がない。いくら『私のことはほっといてください』と言われようが、そりゃ読まずにはいられないでしょうが。
でまあ、アレだ。わたくしの見立てによれば、これはやはりケメ子先生ご自身による著作であるな。そうでなければ、洗面所のパイプ修理を思いもかけないカタストロフィに変えてしまう父親であるとか、Facebookのなりすましアカウントとの死闘であるとか、納豆のパッケージ開封から実際に食すまでに立ちはだかる数々の試練、といったような日常の些事から、あれほど奇想天外にしてスケールの大きな物語は生まれてこないだろう。いや、担当編集者Yさんのテクストもかなり面白いのだけど、やはりこう、次元が違うとしか申し上げようがない。
疑ってすみませんでした。ごめんなさい。