8日間の夏休みもいよいよ今日で終わりです。あっという間でしたが、今年はなかなか充実して、かつのんびりとした夏休みが過ごせたように思います。さて、夏休みといえば読書です。子供のころから読書は好きだけど、読書感想文を書くのは大の苦手でした。大人になると、読書感想文のことを気にせずに本を読めるから良いですね。この休み中に読んだのは、「ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)」です。
- 作者: 伊丹十三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
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伊丹監督って、色んなことに関してものすごいこだわりを持っていたんですね。面白いのは、「わたくしのコレクション」という項目があるのですが、これは「嫌いなものに関するメモ」だそうで。その中の一部を引用します:
やたらと紋切り型の言葉を使う人がいる。バーへ行くと、水のことを「村山ハイボール」とか、「鉄管ビール」とかいって注文する。バーテンダーのほうにも同じようなのがいて「もうからん水」なんていう。
スキーで転んで顔から雪へつっこむと、「顔面制動」とくる。
「光栄の行ったり来たり」とか、人が掃除なんかしてると「雨が降るわよ」とか「あっ、どうりで雨が降って来た」なんていう。いや必ずいうのです。
歩く事を「テクシー」という。秀才とか、名人とかいう言葉が出ると「でもシュウは臭いほうのシュウだけど」とか「メイは迷うほうのメイでしょう」とかいう。
只乗りのことを「薩摩守」という。
「ハッハア、の三年忌」とか「なるほどちぎれる秋なすび」これはまだ許せるとしても「おそれ入谷の鬼子母神」などと恥ずかし気もなくいう。鼻の下が長いと「チューリップ」あるいはもっと直接に「鼻下長」(ビカチョー)とくる。なにかというと「松沢病院行き」ときめつける。
…すごいですね。ほとんど聞いた事ありません。「テクシー」なんかは聞いた事ありますが、最近はほとんど聞きませんねぇ。「薩摩守」とか「おそれ入谷の鬼子母神」(ちなみに一発で変換できました)なんかは本などで読んで知ってはいるけど、実際に使ってる人は見た事がありません。まぁ、1960年代に書かれた本ですから。