先日の東京方面出張の折、帰りの新幹線で読もうと思って新潮文庫版の「刺青・秘密 (新潮文庫)」を買った。
- 作者: 谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1969/08/05
- メディア: 文庫
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もうね、変質者(「刺青」、「秘密」)とか人でなし(「異端者の悲しみ」)ばっかりやね。「幇間」の三平もたいがい変態だし。そうかと思うと「二人の稚児」の瑠璃光丸みたいにストイックなガキも出てきたり。これが谷崎ワールドか。考えてみたら「細雪」だって、単に美しいというよりは「絢爛」とか「耽美」という感じだから、やっぱり根っこでは変態路線なのかも知れんな。
「刺青」の冒頭部分の
それはまだ人々が「愚」という貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。
ていうのなんか、もうがっしと掴まれた感じですよ。たまりまへんな。