野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

文豪をつかまえて変態呼ばわり

先日の東京方面出張の折、帰りの新幹線で読もうと思って新潮文庫版の「刺青・秘密 (新潮文庫)」を買った。

刺青・秘密 (新潮文庫)

刺青・秘密 (新潮文庫)


もうね、変質者(「刺青」、「秘密」)とか人でなし(「異端者の悲しみ」)ばっかりやね。「幇間」の三平もたいがい変態だし。そうかと思うと「二人の稚児」の瑠璃光丸みたいにストイックなガキも出てきたり。これが谷崎ワールドか。考えてみたら「細雪」だって、単に美しいというよりは「絢爛」とか「耽美」という感じだから、やっぱり根っこでは変態路線なのかも知れんな。
「刺青」の冒頭部分の

それはまだ人々が「愚」という貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。

ていうのなんか、もうがっしと掴まれた感じですよ。たまりまへんな。