「陽暉楼 (文春文庫)」を読んだ。
- 作者: 宮尾登美子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/03
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
こういうのは相性もあるのかもしれないけど、最初のうちはどうもこの語り口、あるいはストーリーの組み立てになじめない感じがして物語に入り込めなかった。それでも後半ぐらいにはそれなりに没頭して読んだ。
そして、これはあまりにも哀しすぎる、救いが無いと思う一方で、これはまたある意味では桃若姐さんの自業自得、とも思った。いや自業自得っていうのはちょっと違うかも知れないけど、あえてそういう、過酷な方向ばかりを自分で選んで行った積み重ねの最後が、ああいうふうになったわけだ。何だってそんなに意地を張る必要があるのか。もっと楽な方に行けたチャンスはいくらでもあったのに。確固とした原理原則に基づいたその時々の判断・決断っていうのともちょっと違ってて、何となくその時の気分っていうのに支配されてるだけのように思うんだが、どうだろうか。
そういや、ちょっと違うけど、ベット・ミドラーの「ローズ」を思い出した。