野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

諸行無常の響きあり

R文庫、7冊目。
「自分は死なないと思っているヒトへ」という本。いやそんなことないよ、死ぬと思ってるよ、と読んでみたが、うーんひょっとするとやっぱり死なないと思っているのかもね。

自分は死なないと思っているヒトへ―知の毒 (だいわ文庫)

自分は死なないと思っているヒトへ―知の毒 (だいわ文庫)


あちこちでやった講演を一冊の本にまとめているから、何度も同じ話が出てくる。この人の話というか物の考え方っていうのは何だか独特だな。なんだか無茶苦茶な理屈だな、と思ったり、同時にそう言われるとそうかもしれん、と思ったり。
テーマ、というか主張はいくつかあるみたいだけど、例えば、「都市とは自然を排除してできている」という、一見当たり前やんけ、と思ってしまうことの本当の意味。なぜゴキブリは嫌われるのか。病院で死ぬ人が増えているというのはどういうことなのか。
そして、サブタイトルにもなっている「知の毒」。知る、ということはとても危険なこと。それだけの覚悟があるのか?と問いつめられたら、きっとうろたえてしまう。そ、そんなつもりでは無かったんだ、許してください。
ま、なんだかんだ言って、面白い本だったな。それにしてもホント、養老さんって変なヒト。