野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

今年もてんこもり

昨日は11月3日、文化の日。全国的に祝日だ。レヴィ=ストロースの訃報を聞いて驚いた。訃報そのものに対してではない。彼がつい先日まで、まだ生きていたということに対してだ。享年100歳。
そんな秋晴れの爽やかだが寒い日に、例によってとあるイベントで荒稼ぎを目論む妻の運転手として、はるばる姫路まで行ってきた。だったらそのまま妻の商売を手伝えばよさそうなもんだが、それはちとダルい、ってんで姫路の駅前までふらふらと出てきた。ヒマだし(だったら商売を手伝えよ)、映画でも観ようかとうわけだ。先日、原作を読んでたいそう面白かった「風が強く吹いている」だ。
なるほど、良くできてるな。しかしちょっとやり過ぎじゃないか?ハイジはゴールのずいぶん前から足の痛みが出てきて
、剥離骨折で誰が見てもマトモに走れない状態になってしまう。あの悲壮感あふれる演出。まあ映像化するのだから、逆にあれくらいやらんとわからんのだろう。アオタケの住人も、ハイジが「箱根駅伝に出る」なんぞと言い出す前にはだーれも走ってなんぞいないのだ、原作では。そこからの落差が本当は面白いのだが、映画では、すでにみんな毎朝5km走る習慣があることになっている。まあこれも2時間という枠の中でやるために、致し方のないことなのだろうけど、なんだか下ごしらえの済んだ食材がどこからともなく出てくる料理番組を見ているようで、ちょっと興ざめだな。