野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

言っとくけど郷じゃないからな

昔、職場の先輩Fさんと二人でどこぞのバー(心斎橋あたりだったような気がする。泥酔していたので良く覚えてないけど)で飲んでいたときのこと。どういうわけか、あの、通りを歩いている女性の脚がジャケットになっているのは誰のアルバムだ、という話になった。ご存知の方は一発でわかると思うが、そのアルバムとは、名盤 "Cool Struttin'"のことだ。あろうことかFさんは、あれはソニー・ロリンズのアルバムだ、と主張して譲らない。馬鹿なことを言っちゃいけない、あれはスタンリー・クラークですよ、とわたくしも反論する。延々と続く水掛け論に、見かねたマスターが「これですよね」と差し出してくれたCDは、まさに "Cool Struttin'"、そうソニー・クラークの作品だ。
これが世に言う「Cool Struttin'事件」だ(言わねーよ)。まったく恥ずかしいったら。
まあそんなザマだから、今までスタンリー・クラークの曲って聴いたことが無かった(Cool Struttin'のアルバムは買ったのに)。
日曜日に「3倍ポイントキャンペーン」に釣られてふらふらとタワレコに行ったときに、問題のスタンリー・クラークの新譜 "The Stanley Clarke Band" が目にとまった。いや別にスタンリーに含む所があるわけではないのだが、featuring 上原ひろみ、というところに引っかかったわけだ。

Stanley Clarke Band

Stanley Clarke Band


ついうっかり試聴してしまったら、えらいカッコええやないの奥さん。ちょうどセールで1,890円と安くなっていたこともあって、そのままお買い上げですよ。
いやスゴいですな。アンタそれベースやろ、なんでそんな弾き方するん?(放っといたれや)てなもんですが、ブリブリですよね。
チック・コリアのカバー "No Mystery" が収録されている。ひろみ嬢も弾きまくりで、これまたスゴいんですな。”Larry Has Traveled 11 Miles And Waited A Lifetime For The Return Of Vishnu's Report” というやたら長い、そして意味ありげなタイトルの曲。ああマハヴィシュヌね、というのはわかるし、Return to Foreverの感じは確かにあるのだがウェザーリポートなんて良く知らんし、それにしても何がラリー・カールトン?と思ったがこれはカールトンではなくてラリー・グラハムなのかも知れないし、あるいはLarryにはまったく意味が無いのかも知れない。あと、ストレートアヘッドな "Sonny Rollins"(出ましたね)がまたカッコええし、ひろみ嬢書き下ろしの "Labyrinth" がいかにも、な感じで大変によろしい。
うーむなかなかやるじゃないかスタンリー。