エマニュエル・レヴィナスという哲学者について知ったのは、ウチダ先生の本を読むようになってからのことである。
どうも、超難解な本を書いているらしい。とてもじゃないが手が出ない。と言いつつ、先日文庫化されたウチダ先生の「レヴィナスと愛の現象学」を読んでみる。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/09/02
- メディア: 文庫
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ひょっとすると、この本を読めば、レヴィナスも読めるようになるんじゃないかというムシの良い期待を少しばかり持っていなくもなかったのだが、そんなものは木っ端微塵に粉砕された。
だってこの本が難しすぎるんだもんなあ。いやね、わかってますよ。一応それなりの覚悟はしてましたけどね。レヴィナスを読むには、フッサールを読んでおく必要があるのだろうか。しかし仮にフッサールの現象論を理解していたとしても、それはレヴィナスを読む上で、実は体して役に立たないのかもしれない。難儀なことである。
「レヴィナスは難解であるがゆえに、万人に開かれているのである」。まあ、なんてことでしょう。
実際、この本は別にレヴィナスの解説本ではないのだ。あくまで、ウチダ先生がレヴィナスについてこのように理解しました、というのを述べておられるだけなのである。そして、レヴィナスはそのようにしか読めないし、またそのように読むべきである、らしい。 固定した解釈は存在し得ない、と。もし誰か、「レヴィナスはこうこうこういうことを言っているのだ」と断定する人がいたとすれば、そいつはスカタンかイカサマ師のいずれかである。…いや別にそんなことは書いてないか。
でも何か、面白い本ですよ。なんだかよくわからないけど。