野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

次は30年後に

月曜日の朝、二日酔いの頭痛に悩まされながら出張なんである。といっても家を出る時間はいつもよりゆっくりめで7時20分ぐらい。これはちょうど、例の金環日蝕が始まろうとする時間ではないですか。
日蝕観察用のメガネはよく売れたらしく、先週の土日には、もうどこへ行っても売り切れ状態だったとか。日本全国で1億円ぐらいの経済効果があったんじゃないだろうか。このわたくしも、あー見つけたら買っといても良いかな、ぐらいのユルい感じで考えていたのだが、なにぶんグズなもので、けっきょく入手はできなかったんである。
何だかんだ言って、どこか日蝕をなめていたんだな。「絶対に直視してはいけない」とはいうものの、写真を撮って見るぶんにはイケるやろ、とか、まあちょっとでも曇ってたら見ても大丈夫ちゃうん、とか。
まあ、普通に写真なんか撮れませんな(撮れてる人も結構いたけど)。
ありゃりゃ、と思いながら家を出る。マンションの周りも日蝕観察をする人々で大にぎわいだ。最寄り駅へ向かう途中でピークの7時半を迎え。結局金環なぞとても見えはしなかったが、あの不思議な暗さは体験することができた。なんで単に暗いのとは違って感じられるのだろう、と考えるに、あれは色温度のせいだろうな。通常の、あれくらいの暗さ(明るさ)になるのは日没あるいは日の出の時間帯、ないしは曇天の場合、なのだが、日没や日の出においてはもっと色温度が低く(赤っぽく)なっているし、曇天の場合でも雲でフィルタされた色温度でやはり晴天時より若干低めになっているはずだ。しかるにこの金環食においては、色温度は晴天時のままで光量のみが減ることになり、それがあの独特な暗さをもたらしているのではないかと推察される。誰か色温度を測定した人はいないのだろうか。