「悪の教典」下巻、一気にいってしまいましたがな。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 文庫
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いやーこれはすごい。実におぞましい。しかしさすがの天才ハスミンも、ろくに事前準備もせずあれだけの大量殺戮ってことになると、やはりどこかでほころびが出てきますよ。ケヴィン・カチャドリアンだって周到な準備をして、それでもせいぜい7人ぐらい、しかも全員は無理だったわけでね。何事も、うまくいく時というのはすべてが都合良く物事が進むのだけど、ダメな時はほんのちょっとしたミスがリカバー不可能なまでに連鎖していくんですな。それをハスミンの圧倒的な知能と体力と野生の勘で押さえ込んだかに見えて、実は… まあある程度予想はできたけども。
極悪非道の悪魔としか言えないハスミンだが、読んでるとつい感情移入してしまい「がんばれハスミン、もう少しだ」とか「気をつけろハスミンそれは罠だぞ」とか「おいその中身ちゃんと確認したのか」などと思ってしまい、「オレって外道だな」と苦笑い。
それにしても"Mack The Knife"ってあんなひどい歌詞だとは知らんかったな。