新聞の広告等で見て、だいぶ前から気になっていた一冊「さよならドビュッシー」を読んだ。
- 作者: 中山七里
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/01/12
- メディア: 文庫
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帯に「妻夫木聡さん(俳優)絶賛!」と書いてあって、以下のようなコメントが引用されている。
「最後にどんでん返しがあってね、面白かったです。思わず引き込まれて買っちゃいましたからね、クラシックのCDを」
「最後にどんでん返し」って、もうちょっと気の利いたことが言えないのかね、妻夫木くんよ。しょうがねえなあまったくもう。とかなんとかぶつくさ言いながら(いや本当は声に出しては言ってませんけどね)読み進めていったわけだが。
「さよならドビュッシー」なんて、なんだかお気楽なタイトルで油断していたら、どうにも壮絶というか陰惨な内容でまいったなこりゃと思っていた。しかし後半ぐらいからだんだんと勢いが出てきて、特に演奏シーンなんかはかなりエキサイティング。音楽という芸術にコミットする者のデモーニッシュな部分も見せつけられる感じだ。単にクラシック音楽についての薀蓄だけでもそれなりに面白い。
そして… ああ結局「最後にどんでん返しがあってね」というちょっと頭悪そうなコメントを書いてしまいそうだ。すまん妻夫木くん、キミのことをアホあつかいして申し訳ない。いやホント、「ぐぬぬ。そう来るか」という感じで、ちょっと口惜しいぞこの野郎。