野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

大人ってのはよ

レイさん(id:reiworks)から大量の本をお借りした。いわゆる(といってもわたくしがそう呼んでいるだけだが)R文庫だ。何度も貸し借りをしているうちに、一体どれが借りたものでどれが自分のものか、またすでに貸したことがあるのかないのか、だんだんよくわからなくなってきた。最初のころは、好みに近いところはあっても、選ぶ本には明らかに異なる傾向があったのだけど、やはり互いに影響を受けるのか、同じような本を買うことも多くなり、なんだか読みたい本の購入を分担しているような感じになっている。
さてそんなR文庫より、あえてレイさんから「送るから買わないでねー」と言われていた「大人のいない国」、内田せんせと鷲田せんせの共著(なのかな?)だ。


政治家も企業の経営者もマスメディアも、そして我々民間人も、今の日本はガキばっかりになってしまった。まったくけしからんことである、こんな日本に誰がした、と誰かを糾弾するのも、実は子どものすることなのだ。考えてみれば、こうやって要所に子どもばっかりいるにもかかわらず、何とか破綻せずに回っている、ということ自体が、実はよくできたシステムであるということだ、という指摘にはちょっと驚いた。子どもばかりでも運営できるのが成熟したシステムであるということ。なるほどね。
しかしそろそろもう限界かも。だから、みんながみんなそうじゃなくて良いけど、将来のためにちゃんとシステムのメンテをできる「大人」を育てようぜ、ていうのが大きなテーマかな。
大人であるとはどういうことか、成熟とは何か。矛盾と葛藤とか、そういうものを抱え込めること。なんだか、先日の「新世界より」に続けてこの本を読むと、何とも言えない味わいがありますですな。