先日、鷲田せんせの「ちぐはぐな身体」を読んだせいか、「着ればわかる!」なんていう本がどうも気になって読んでしまった。
- 作者: 酒井順子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/06/07
- メディア: 文庫
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まあタイトル通りの本なわけで、エッセイストの酒井順子さんが、各種の衣装を実際に着てみるわけですな。セーラー服、スチュワーデス、陸上自衛隊、バスガイドなんていう「いかにも」なところから、タカラジェンヌ、ゴスロリ、巫女、十二単というちょっとコアな感じのもの、さらには茶摘み娘、養蜂家、永ちゃんファン、とここまでくると何だかよくわからなくなってくるが、いずれも酒井さん、ずいぶんと楽しんでおられるようである。確かに、着て初めてわかること、というのもあれこれとあるようだし、特に制服系は、実に良く考えてデザインされており、それぞれのディテールにもちゃんと意味があったり合理的な理由があったりするもののようだ。
しかしこの本は、やはりそれなりのコスプレ趣味とか変装・扮装願望みたいなものがあって初めて、ちゃんと楽しめるんじゃないかという気がする。どうもわたくしは残念ながらそっち方面の興味が少しばかり不足しているようだ。酒井さんが楽しそうな分だけ、いつもの斬れ味がちょっと鈍ってしまっているように思えるのだが… まあそれはわたくしのヒガみってもんですかね。へえ。