野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

金沢でプールといえば21世紀美術館でしょうが

待望の『和菓子のアン』の続編が出たのでさっそく買い求める。

アンと青春 (光文社文庫)

アンと青春 (光文社文庫)

何のことはない、ちょいデブな女の子が和菓子屋でアルバイトをする、という話だ。前作にも書かれていたように、和菓子の世界は見立てやメッセージに満ちているので、和菓子屋での買い物に込められた意図、購買者が誰かに伝えようとしているメッセージ、を読み解くというミステリーとして話は進んで行く。
しかし、デパートに入ってる和菓子屋ってこれほどまでに日々あれこれの事案が発生するものなのだろうか?いや、その辺のリアリティを追及してああだこうだというつもりはない。作り話なんだし。
まあそれにしても、アンちゃんってのは実にキュートだ。ちょいデブだし、金沢がどこにあるのか、とか浄瑠璃が何なのかわかってなかったりするけど。そのわりには、こなしとねりきりの違いについて説明したりして、何なんだいったい。まあとにかく、菓子(和洋かかわらず、いや菓子だけでなく食いもん全般)を愛してやまないデブなんだということはよくわかる。だから、和菓子の販売は天職なのだろう。チンピラにしか見えない和菓子職人の「師匠」の
食いもんってな、にこにこ明るい奴が売ってるだけで、うまそうに見えるんだよ(p.281)
という発言にはわたくしも同意する。何となく、だけど。