もう何年も前に文庫化されていて、気になりつつも手を出しそびれていた『総理の夫』が、ドラマだか映画だかになるそうで、店頭にて改めてフィーチャーされていたので、やっと読んでみた。
総理の夫 First Gentleman 新版 (実業之日本社文庫)
- 作者:原田 マハ
- 発売日: 2020/11/02
- メディア: 文庫
なかなかに面白い話だと思う。けど、なんだかあんまりリアリティが無いな。
そんな奴おらんやろ、とつい思ってしまうが、そうでもないか。いないわけじゃないよな。
何というか、こういうお話にリアリティを感じられない世の中ってのがそもそも問題だよな、という気もする。
これがたとえばドイツやニュージーランドやフィンランドなら、そんなに突飛な話ではないはず。しかし、少なくとも本邦においては、おそらくもう何百年にもわたっておっさんのおっさんによるおっさんのための社会が出来上がっており、そこに暮らすわたくしなどにとっては、こういうお話に少しばかりの希望を持ちつつ、どうもリアリティを感じられないのだな、残念なことに。