お、『暗幕のゲルニカ』、意外と早く文庫化されたな。
- 作者: 原田マハ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/06/28
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
この小説は、一応はフィクションだ。子供の頃に「ゲルニカ」を見て衝撃を受けて以来、生涯ピカソを追い続ける、主人公の八神遥子は架空の人物だ(モデルは明らかに原田マハ自身だけど)。しかし実在の人物や出来事も多く組み込まれている。
国連の安全保障理事会でアメリカによるイラクへの武力行使が承認され、それをパウエル国務長官が報告した時、国連のロビーにあった「ゲルニカ」のタペストリーには暗幕がかけられ、隠されていた、という。そんな小説みたいな出来事があったとは知らんかった。いやそもそも国連に「ゲルニカ」のタペストリーがあるということ自体知らんかった。そういえば、湾岸戦争の時や911テロの後には『イマジン』が放送禁止になってたな。
まあとにかく、どこまで史実でどこから創作なのか、登場人物のうち誰が架空の人物なのかがよくわからなくなってくる、まあそれくらいによくできたお話だと思うのだけど、アメリカ大統領にジョン・テイラー、国務長官にコーネリアス・パワーなんて、何でまたそんな中途半端な名前を付けるんだろう?そんなもん誰が見たってジョージ・ブッシュにコリン・パウエルじゃないか。
ちなみにジョン・テイラーはデュラン・デュランのベーシストだ。ギターのアンディ・テイラー、ドラムのロジャー・テイラーとテイラーが3人いるが、いずれも血縁関係はないのだそうだ。Kinki Kidsみたいですな。って何の話だ。