翻訳家の柴田元幸さんは東大文学部の教授でもある。その柴田さんが、実際に東大でやっている翻訳の講義(演習というべきか)を本にしたのが、文字通り「翻訳教室」だ。
- 作者: 柴田元幸
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/04/05
- メディア: 文庫
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よく言われることだけど、原語の文法だけじゃなくてその背景にある文化や歴史や風俗についての知識と理解がないと、翻訳なんぞできませんな。それに加えて、日本語に対してのデリカシーも。語感というものに対して、ものすごく気を遣っているのがよくわかる。
課題として村上春樹の「かえるくん、東京を救う」(の英訳版)を使っていて、日本語を英訳したものをまた日本語に訳し戻すのが面白いし、村上さんご本人が登場する回もあったりする。岸本佐知子さんが解説を書いてるってのもポイント高い。かなり楽しめる一冊でございました。