野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

俺様のロールモデル

元旦は雪に埋もれて身動きが取れなかった。そんなときには引きこもって読書などするのがよろしい。
一年の計は元旦にあり、などという。したがって年明け一発目に読む本はそれに相応しいものを選びたい。
というわけで、昨年末から準備し楽しみにしていた、ケメコ先生の「最後のおでん」をちびちびと、時折うつらうつらと微睡みながら味わった。
最後のおでん: ああ無情の泥酔日記 (新潮文庫)

最後のおでん: ああ無情の泥酔日記 (新潮文庫)

 
世の中にブログなどというものが登場する以前から、「Web日記」として書き溜められていたテクスト群を書籍化した後半部分であり、「枕もとに靴」の続編にあたる。ケメコ先生の近況は、今ではツイッターで知ることができるわけだが、この本を読むと、まさに十年一日のごとく、昼酒と相撲をこよなく愛し、テレビを見ては文句を言い、自動車税を滞納し、呑んだくれて時々財布をなくす… という日々の営みを続けているということがわかる。まことに、「ブレない」とはこういうことをさすのだ。今年もまた一年、のらりくらりと生きて行けば良いのだ、とあらためて勇気をくれる一冊である。