野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

こういうのは向き不向きってのがあってだな

「走ることについて語るときに僕の語ること」を初めて読んだのは、5年近く前になる。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

当時はまったく走る習慣はなかったのだけども、この本を読んだらちょっくら走ってみようかなという気になったものだ。
で実際に1、2回ほど走ってみたものの、「ダメだこりゃ」ということになってそれっきり。最初はやっぱりキツいですよ。
それから数年ほど経って、ちょっとしたきっかけでまた走ってみることになり、意外とそれは長続きして一年少々が経過し、今に至る。あの時との違いはやはり、アプリを使っているかどうか、だと思う。アプリでランニングを記録すると、距離が少しずつ伸びたり、より速いペースで走れるようになるのが面白いのだな。
そんな風に、一応は走る習慣を持つようになった今、改めてこの本を読んだらどんなもんなんだろう、と思ったわけだ。
どうやら、村上さんにとっての「小説を書く」という営みと「走る」という行為は密接不可分なものであるのだな。そもそもプロの小説家になる時に、そのライフスタイルを確立する上で、走ることが非常に重要な位置を占めている。さらには、彼の思想を規定してしまっているとさえ言えるんではないだろうか。
それにしても、前述したようにわたくしの場合はアプリで結果が目に見えるからなんとか続けているけど、村上さんがランニングを始めた当時なんてもちろんそんなものは無いわけで、なのによくやるよなーとまったく感心するやら呆れるやら。おまけに普通のフルマラソンでは飽き足らず、100kmマラソンに出てみたりトライアスロンをやってみたり。やっぱりねーちょっと違うよねこの人は。