野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

プラトーン観てないしなあ

以前に読んだクドカンのエッセイ「いまなんつった?」で、「キレのいい罵詈雑言」が満載であるとして紹介されていた映画「トロピックサンダー」がずっと気になっていた。うまい具合にAmazonプライムのビデオにも入っているのでちょいと観てみた。

トロピック・サンダー/史上最低の作戦 ディレクターズ・エディション [DVD]

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落ち目の役者やらコメディアンを使って戦争映画を撮ろうとするのだが監督は頼りないし役者は言うことを聞かないしでちーとも撮影が進まず難儀しているところに、ベトナム戦争帰りの原作者が監督に入れ知恵して、役者たちをホンマもんのジャングルに放り込んでリアルな映像と演技を撮ろうとしたら監督が地雷を踏んで死んでしまう。役者たちはジャングルに取り残され、なぜか麻薬を密造するラオス人たちに襲撃され… てな感じのぶっ飛んだ話だ。
B級バカ映画だと思って観ていたらこれがあーた、面白いのなんのって。いやもちろんテイストはどこまでもB級、かつ下品極まりない。タランティーノもびっくりってぐらいにfour-letter wordsまみれだ。クドカンの評する通り、実にキレのいい(?)罵詈雑言がてんこ盛り。かなりスプラッタなのだけど、安っぽく作っているおかげでリアリティがなく、さほどグロテスクではない。そして、ハリウッドの裏事情であるとか、いろんな映画のパロディも散りばめられている。映画に詳しい人なら、さらに楽しめるんじゃないかと思うが、わたくしの場合そこまでではないのが残念。
で、オナラぷーが売りものの安コメディアン役でジャック・ブラックが出てるってのがまたポイント高いし、何と言ってもトム・クルーズ。ハゲヅラにメタボの特殊メイクで、一体誰なんだかわかりゃしない。そして、なんともエゲツないキャラの上に「お前のナニをちぎってケツに突っ込むぞ」だの「今後はお前をケツの穴まで監視する。俺の手がお前のケツの中にあると思っておけ」だの、よくもまあこんだけ、というぐらいに下品なセリフを撒き散らし、最後のシーンではなんだか妙なダンスを踊ってみたり、いやもう最高ですよ。